「外国人の採用面接はどのように進めるべき?」と悩んでいる担当者の方もいるでしょう。外国人の採用面接では、就労の可否に関わるため在留資格の種類や大学・専門学校での専攻内容は必ず聞かなければなりません。また、やり取りをしながら実際の日本語能力を見極めるのも大切です。

この記事では、外国人の採用面接の重要性や実際に使える質問例を紹介します。面接前に確認すべき事項や注意点も解説。外国人の応募者に聞いてはいけない質問や採用面接を成功させるためのポイントについてもまとめているので、企業の担当者や人事担当者の方はぜひ参考にしてみてください。

外国人採用で書類選考や面接が重要な理由

外国人を採用する際は、日本人の場合と比べると書類選考や面接がより重要になります。これには、外国人採用では必ず確認しなければならない事項があるためです。

外国人が日本で働くためには「在留資格」が必要で、保有している在留資格で認められた職種や活動範囲内で就労しなければなりません。定められた範囲を超えて採用・活動すると、外国人本人と企業の双方が「不法就労」として罰せられます。

故意か否かに関わらず違反が認められると、企業には最大で5年以下の懲役および500万円以下の罰金が科されるほか、外国人は退去強制の対象です。加えて、報道などにより企業のイメージが悪化するばかりか、技能実習生特定技能外国人の受け入れが難しくなります。また、捜査の対応で業務に支障がでることは避けられないでしょう。

思わぬかたちで違法行為をしないためにも、外国人採用では日本人以上に書類選考や面接が重要であるといえます。

参照元:厚生労働省「不法就労に当たる外国人を雇い入れないようにお願いします。

外国人の採用面接を行う前に確認すべきこと

上記のような違反を避けるには、外国人の採用面接の前に必要事項を確認しておくことが大切です。

以下の説明を参考にして、事前に確認すべき項目をリスト化しておきましょう。

在留資格・在留カード

就労ビザ(在留資格)とはの画像

先述したように、外国人が日本で働くには就労可能な在留資格が必要です。外国人を雇用する場合、自社の業務が許可されている在留資格をもっている、もしくはこれから取得が可能な人でなければなりません

たとえば、システムエンジニアとして外国人を雇用したい場合は「技術・人文知識・国際業務」の在留資格をもっている、もしくは取得できる人を見極めて採用する必要があります。

書類で確認できない在留カードは、面接の場で本人の同意を得たうえで現物を提示してもらい、在留資格や在留期間、そしてカード偽造の有無をチェックしましょう。

在留カードの見方の画像

就労目的で日本に中長期間在留する外国人は、必ず在留カードを所有しています。本人確認書類として常時携帯が義務付けられているため、もし、在留カードを「提示できない」「今は持っていない」と提出を断られた場合は不法滞在が疑われるため注意が必要です。

大学・専門学校での専攻内容

前述した在留資格の確認は、すでに就労可能な在留資格をもっている(中途採用)場合に当てはまります。留学生や海外在住の外国人を雇用する際は「これから在留資格を取得できるか」、つまり大学や専門学校などでの専攻内容や実務経験をチェックしなければなりません

在留資格は希望すればどの種類でも取得できるわけではなく、学生時代の専攻内容とその在留資格で行う業務との関連性が審査されます

たとえば、システムエンジニアとして働くために「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を取得する場合、「技術」分野に該当する技能や技術を身に付けたことを証明できる学歴が必要です(※実務経験や資格によっては例外あり)。

具体的には理系の大学院や大学、短大を卒業する、または情報処理関係の日本の専門学校を卒業し、専門士か高度専門士を取得していることが求められます。なお、大学卒業者については、専攻内容と業務内容の関連性は比較的柔軟に審査されるので、文系出身もシステムエンジニアとして働ける場合があるようです。

入管法における卒業の定義は「学位を受けること」とされています。海外の教育制度では卒業しただけでは学位を得られない場合があるため、海外の大学を卒業している人を採用する場合は、卒業証書とともに学位記も提出してもらいましょう

確認を怠ると、時間と労力を掛けて採用選考を進めても最終的に在留資格の申請が不許可となり、雇用の話自体が白紙になる可能性があります。

職務経験やアルバイト事情

外国人の採用面接では、日本人の採用以上に職務経歴書の内容の事実確認が重要です。その理由として、転職活動で実績や経験をオーバーにアピールし、経歴を誇張しようとする海外の傾向が挙げられます

海外は日本以上に転職が身近なもので、経歴を武器に会社を変えながらキャリアアップしていくケースが珍しくありません。そのため、少しでもプラスの評価を得ようと、これまでの実績や経験を誇張して記載してしまう人もいます。多少の脚色は日本人の感覚ほど深刻には捉えられていないのが実情です。

よくあるパターンに、実際には少し関わっただけなのに「十分な経験がある」「即戦力になれる」と経歴を脚色するものがあります。本人はそういえるだけの自信をもっていても、実際には企業が求めるレベルに達していないというケースです。

在留資格のなかには実務経験を審査要件にしている種類もあり、経歴に正しくない部分があると分かれば当然申請は不許可になります。入社後の業務に支障がでるだけでなく、在留資格の審査にも影響するためしっかり確認しましょう。

このような事態を防ぐには、リファレンスチェックやバックグラウンドチェックのほか、面接で職務経験やアルバイト事情のヒアリングも時間をかけて実施するのが望ましいです。少しでも不自然な点や違和感があれば深く掘り下げて、話の食い違いがないかといった事実確認を行いましょう。

兵役の有無

兵役は日本にはない制度なので確認が漏れてしまいがちですが、業務の進捗や人員配置にも関わる大変重要な事柄です。選考までに応募者の出身国の制度について把握しておき、面接時に直接確認できるようにしましょう。もし入社後に兵役へ行く場合は、1年~数年単位での休職が発生します。

徴兵制がある国は、韓国やタイ、デンマーク、ノルウェーなど60ヶ国以上です。世界情勢の変化によりヨーロッパでは徴兵制の復活を検討する国もあり、今後増えていくことも考えられます。

入隊する時期は国によってさまざまです。たとえば、健康な成人男性全員に兵役の義務がある韓国では、通常大学を休学して軍隊に行きます。そのため、新卒で就職する際には兵役を終えている人がほとんどです。しかし、その後も予備軍として8年間は年に数回の軍事訓練に参加しなければならないため、定期的な休暇が必要になります。

プロジェクトや現場の業務分担などにも影響するため、徴兵制のある国出身者の採用面接をする際は、入社後に兵役に就く可能性があるかどうかを必ず確認しましょう。

働ける時間や期間

外国人の立場や有する在留資格によっては、働ける時間や期間に制限があります

たとえば、留学生アルバイトを雇用する場合、働けるのは週に28時間以内(長期休暇中は1日8時間、週40時間)です。また、「技能実習」や「特定技能1号」の在留資格をもつ外国人は、ほかの在留資格に変更しなければ最長で5年しか働けません。

母国の家族の事情や将来のキャリアプランによっては、数年後に帰国を考えている人もいるでしょう。長期的な雇用を検討している企業は、働ける時間や期間を面接時に確認する必要があります。

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外国人の採用面接における注意点

外国人の採用面接では、「難しい日本語を使用しない」「日本の文化・価値観を押し付けない」などに気を付けましょう。そのほか、注意しておくべき項目について以下で紹介します。

難しい日本語を使用しない

外国人の採用面接では、できる限り簡単な日本語でコミュニケーションを図るようにしましょう。日本語能力を見極めたいとしても、ハイスピードで難しい言葉ばかり使うと外国人本来の実力を判断しにくくなります。実際の業務や現場で最低限必要なレベルに水準を合わせ、相手が答えに詰まったら言い換えたり補足したりして、柔軟に対応するのが親切です。

状況に応じてジェスチャーや応募者の母語なども使用すると、面接をスムーズに進められるでしょう。

日本の文化・価値観を押し付けない

人にはそれぞれ、これまで育ってきた環境・文化のなかで培われた価値観があります。特に、日本に来たばかりの外国人やこれから来日する予定の人の場合、日本の文化や価値観にほとんど慣れていないでしょう。入社後に日本のビジネスシーンで大切なマナーや立ち振る舞いを教育することは大切ですが、無理やりこちらの文化・価値観を押し付けて、相手のバックグラウンドや人格、考え方を否定するのは避けましょう

たとえば、日本では面接にはスーツで臨むのが一般的ですが、外国人のなかにはジーンズやTシャツといったラフな服装で来る人もいます。それだけで相手の全てを判断するのではなく、応募書類や面接の受け答えなどから総合的に判断することが大切です。

高圧的な態度を取らない

外国人の採用面接に限った話ではありませんが、面接官が高圧的な態度を取るのは避けましょう。相手が萎縮して話しづらい空気になってしまうだけでなく、内定を出しても「面接官の態度が好ましくなかった」などの理由で辞退される恐れがあります。企業の評判にも関わるため、誰に対してもフラットな態度で接することを心掛けるのが重要です

各種就労ビザの内容把握を怠らない

就労ビザにはさまざまな種類があり、それぞれで就ける職種や活動可能な範囲が異なります。各種就労ビザについての内容把握を怠ると、自社の業務では本来雇用できない外国人を採用してしまったり、気付かないうちに不法就労を助長してしまったりする可能性も。どのようなビザがあるのか、どのようなビザが自社に適しているのかを事前に把握し、要件に適した応募者を採用しましょう。

不透明な給与額や労働条件を提示しない

給与額や労働条件については、その内容を明確化し外国人にも分かりやすく提示します。たとえば、「総支給額」と「手取り額」の違いや福利厚生の内容などについて、具体的な数字を用いて説明すると認識のずれを防止できるでしょう。状況に応じて、翻訳ツールや相手の母語を話せる従業員の協力を仰ぐとより効果的です。

オンライン面接ではより丁寧な意思疎通を欠かさない

遠く離れた土地の相手とも気軽にコミュニケーションを取れるオンライン面接は便利なツールですが、直接面接を行う場合よりもさらに丁寧な意思疎通が欠かせません

たとえば、「話しやすい空気」を醸成することです。オンライン面接は互いの音声にラグが発生しやすく、身振り手振りで感情を伝えるのも難しいため、対面の面接よりもコミュニケーションが難しくなります。日本語が母語ではない外国人の場合、不安や緊張感も相当なものでしょう。

また、そもそも空気を読んで発言するのは日本人特有の文化です。ただでさえ馴染みが薄い「察するコミュニケーション」の難易度がオンラインだと数段上がり、しどろもどろになってしまう外国人は珍しくありません。

面接官は普段よりも大きくリアクションを取ったり、ゆっくり丁寧に説明を行ったり、相手が話しやすい空気を作りましょう

また、接続不良やツールのエラーといったオンライン面接特有のトラブルが発生する可能性もあります。トラブルの解決方法を日本語で説明する場合、理解に時間がかかってしまうかもしれません。相手が過度に慌ててしまわないよう適切にフォローすることが大切です。

結果通知を先延ばしにしない

外国人の採用面接後、社内で合否を決定したら早めに結果を通知しましょう。国内に在留している外国人は在留期限までに仕事を見つけなければ、母国へ帰国しなければならないためです。また、海外から来日する外国人も、在留資格の手続きや引っ越しなどに時間を要します。それぞれのスケジュールがあるため、できるだけすぐに合否連絡をすると相手も安心です。

なかには、数社の選考を並行して行っている人もいるでしょう。結果通知を先延ばしにしてしまうと、優秀な人材が他社へ入社してしまう恐れもあります。面接が終わったら「△日後までにはご連絡します」と、具体的な日付を伝えておくのが望ましいでしょう。

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外国人の採用面接での質問例

ここでは、外国人の採用面接で役立つ質問例を紹介します。日本人の採用面接では定番の「志望動機」や「自己PR」などの質問にも、外国人ならではの注意点や確認事項があるので、意識して面接を進めましょう。

日本で働きたい理由

「どうして日本で働こうと思ったのですか?」「日本で働きたい理由を教えてください」などの質問は、外国人採用では定番です

住み慣れた母国を離れ、言葉や文化が異なる海外で働くという選択は並大抵の気持ちではできません。外国人それぞれに強い決意や目標があると考えられます。

日本で働きたいと思った理由を聞けば、決断に至った根本の気持ちを知ることができるでしょう。また、間接的に仕事に対するモチベーションの高さや将来的なビジョンをしっかりもっているかも確認できます。

自社を志望する動機や希望条件

「志望動機を教えてください」「この会社で働きたいと思ったのはなぜですか」といった質問は、日本人の採用面接でも定番です。しかし、外国人の採用面接では、特に深掘りして聞く必要があります

理由は、外国人は日本人と比べて業界・企業研究をあまりしない傾向にあり、自社について深く知らないまま面接を受けている可能性があるためです。情報を入手しにくいうえ、海外と日本では就活活動や転職のシステムが大きく異なるのも影響しているでしょう。

自社のどのような点に惹かれ応募を決めたのかをしっかり聞き、事業理解の程度を確かめるのが採用を成功させるコツです。

また、会社に対してどのような条件を希望するかも聞いておきましょう。特に、日本から遠く離れた国から来た外国人は、家族の予定や行事で帰国する際にまとまった日数の休暇を必要とします。外国人が一時帰国による長期的休暇を必要とする場合は、ある程度の時期や日数を面接で確認しておくことが大切です

なお、外国人が帰国する時期は、出身国や信仰している宗教によって変わります。一時帰国の必要性や頻度も個人によって異なり、全員が休みを必要とするとは限りません。適切に雇用管理をするためにも、あらかじめ一人ひとりにヒアリングを行い、日数と時期を把握しておくのがおすすめです。

在学中に行った活動

外国人の採用面接では、「学生時代は何を専攻していましたか」「在学中に力を注いだ活動を教えてください」といった質問も欠かせません。特に、先述した「技術・人文知識・国際業務」の在留資格で就労する場合は、大学・専門学校での専攻分野と従事しようとしている業務内容に関連性が必要です。また、新卒の外国人に対してはインターンシップや研修の経験を尋ねるのも重要なポイントとなります。即戦力として活躍できそうか、自社で活かせそうな経験があるかどうかの判断材料として有効です。

これまでの経歴や特技

「特技を教えてください」「これまでの経歴を交えて自己PRをしてください」などの質問を通じて、日本語で分かりやすく自分をアピールする能力をもっているかを確認しましょう

また、注意しなくてはならないのが内容に嘘がないかです。先述したとおり、海外では面接を受ける際に自分を最大限企業にアピールし、より魅力的に見せようとする傾向があります。その過程で、事実とは異なることを言っていたり、内容をオーバーに表現したりしている可能性もゼロではありません。

違和感を感じたら一歩踏み込んで質問をし、事実確認を行うのが望ましいでしょう。

前職からの退職や転職を選んだ理由

前職の経験がある外国人には、「なぜ前の仕事を退職したのですか」「転職する理由はなんですか」という質問も重要です。前職の退職理由と、現在の志望動機や希望するキャリアに一貫性があるかどうかを見極められます。人間関係や職場環境などが理由で退職した場合、自社ではどのような点に配慮すべきかを知ることもできるため、可能な範囲で尋ねておくのがおすすめです。

日本の印象

日本に対する印象を質問するのは、面接のアイスブレイクとして役立ちます。具体的には、「日本についてどのような印象をもっていますか?」「日本と母国で似ているところはありますか」といった尋ね方です。

採用面接なので、ほとんどの外国人は日本についてポジティブな印象を述べるでしょう。返答の内容というよりは、そこから話題を広げて話やすい雰囲気を作る目的があります。

将来的なキャリアプラン

「5年後のキャリアプランを教えてください」「当社でどういったキャリアを歩んでいきたいですか」といった質問です。

応募者のキャリアプランと採用ポジションに齟齬がある場合、採用後にミスマッチが発生しかねません。また、この質問によって、長期的に日本で働く意思があるかどうかも確認できます。

なかには、数年日本で働いたあとは母国に帰って再就職する予定の人もいるでしょう。直接的に「ずっと日本で働き続けたいですか?」と聞くよりも、柔らかく長期就労の意思を確かめられる質問の仕方です。

外国人の採用面接で避けるべきNG質問例

ここまでは、面接で確認しておくべき事柄やおすすめの質問例を紹介しました。一方で、配慮が必要な避けるべき質問も存在します。

厚生労働省の「公正な採用選考の基本」に基づき、応募者の人権や企業のイメージを守るためにも、面接では以下のNG質問をしないように心掛けましょう。

国籍・出身地に関する質問

応募者の国籍や出身国・地域に関する質問は、相手に不快感を与えてしまう恐れがあります。過程としてどの国の出身者か尋ねる必要があっても、国籍や出身地は本人の能力や責任が関与しないところです。質問は最低限に留め、差別的に捉えられないよう注意しましょう。

宗教や思想に関する質問

応募者が信仰している宗教や思想に関する質問をするのも禁止です。面接で本来自由であるべき宗教や思想、生活信条に関することを質問すると、就職差別につながる恐れがあるので避けなければなりません。実際には関係なかったとしても宗教に関する質問をしたあとに不採用を決定した場合、信仰が合否に影響したと思われる可能性があるのです。

とはいえ、雇用する企業として宗教や文化について必要な配慮はあるか把握しておきたいという考えもあるでしょう。

このような場合は、内定を出した後に面談で確認するのが適切です。内定後、入社意思を確認する際に尋ねれば、就職差別を疑われることを避けられます。信仰している宗教とともに必要な配慮を確認し、企業としてできること・できないことをすり合わせましょう。

家族などプライベートに必要以上に踏み込む質問

家族や生活環境など、応募者のプライベートに過度に踏み込んだ質問もしてはいけません。これはプライバシーの侵害に当たる可能性があるためです。

「家族構成を教えてください」「どのような生活状況ですか」といった質問から得られる回答は、応募者の能力や従事する予定の業務とは関連性がありません。面接はあくまで「自社が求めるスキルや知識、経験をもっているか」について判断する場なので、それらに関係のないプライベートな質問は避けましょう。

男女雇用機会均等法に抵触する質問

「結婚したあとも仕事を続けますか?」「子どもをもつ予定はありますか?」などの質問は、男女雇用機会均等法に抵触します。採用の判断材料として性別や結婚などに関する質問をすることは、就職差別につながる恐れがあるためです。

性別による差別と捉えられる質問は、外国人はもちろん日本人の応募者にもしてはいけません。しかし、一般的に日本より海外のほうがジェンダー平等の取り組みが進んでいるため、より一層気を配る必要があります

外国人差別と捉えられる質問

意図していないとしても、外国人差別と捉えられる質問は避けましょう。たとえば、肌・瞳の色や応募者のルーツに触れたり、出身国に対する偏ったイメージを押し付けたりするのは相手に不快感を与えます。「南国の△△人なので暑さには強いですよね?」や「△△国の人は時間にルーズといわれていますが、あなたはどうですか?」のように、ステレオタイプに基づいた質問は差別的な要素を含む場合があるため控えるべきです。

参照元:
厚生労働省「公正な採用選考の基本
厚生労働省「雇用における男女の均等な機会と待遇の確保のために

外国人とのミスマッチを防ぐための採用面接のポイント

実際に外国人を雇用しても、入社後に労働環境や条件、応募者がもつスキルなどにずれがあると、早期離職につながったり教育に時間がかかったりしてしまうでしょう。このような事態を避けるには、採用面接の段階で互いに見極めやすり合わせを行うことが大切です。

以下で、外国人とのミスマッチを防ぐための採用面接のポイントについて解説します。

実際の日本語能力は十分かどうかを見極める

日本語能力試験(JLPT)N1〜N5の目安の画像

外国人の採用面接において、実際にコミュニケーションを取りつつ日本語能力をチェックするのは非常に重要です

日本で就労する外国人の多くは日本語能力試験(JLPT)を受験し、日本語能力を公的に証明しています。レベルはN1〜N5の5段階あり、目安はN4以上で日常会話レベル、N2以上でビジネスレベルです。

ただし、日本語能力試験で測るのは日本語を「読む」「聴く」能力のみで、「書く」「話す」能力は判断できません。また、日本語能力試験は約半分の点数が取得できれば合格のため、同じレベル帯でも、ギリギリで合格した人と満点近くを取得した人では能力に差があるといえます。

そのため、面接では会話しながらどれくらい自然な日本語でコミュニケーションを取れるのか、ある程度時間を掛けてチェックするのがポイントです。会話力は経験や訓練、環境によるものが大きいため、日本語能力試験の獲得レベルはそこまで高くなくても、実際には流暢に話せる外国人も当然います。

適切に能力を見極めるためにも、面接時には成績証明書を提出してもらい、各項目の得票率と同時に直接的な会話力も確認するようにしましょう。

労働条件に不明点や齟齬がないかを確認する

入社後のトラブルを避けるには、労働条件に不明点や齟齬がないかを確認しておくことが大切です。特に、まだあまり日本語が分からない外国人の場合、細かい数字や難しい箇所を正しく理解できていない可能性があります。なかでも給与や勤務時間、休暇などは働くうえで重視されやすい項目です。

不明点があると言われたらすぐ対応できるよう、翻訳ツールや外国人の母語に合わせた書類を準備しておくなど、両者の間で齟齬が生まれないような対策をしましょう。

入社時期をすり合わせる

外国人を採用するときは、日本人の採用時よりも慎重な入社時期のすり合わせが必要です。たとえば、留学生を卒業後に正社員として雇用する場合、在留資格の変更などに時間を要します。企業が入社してほしい時期と、在留資格の審査が終了して実際に働き始められる時期が必ずしも一致するとは限りません。

海外から外国人を招へいする場合も、就労ビザの取得や入国準備といったさまざまな手続きが発生します。各種審査がスムーズに進まない可能性も想定し、余裕をもったスケジューリングとすり合わせを行いましょう

家族の理解・承諾を得ているか尋ねる

外国人の雇用では、家族の理解や承諾を得ているかを尋ねておくのが望ましいです。面接を受けた本人は日本で働きたい意欲があったとしても、家族の猛反対を受けて、結果的に内定後に辞退されるという可能性もあります。祖父母や両親が子ども・孫の進路を決めるのが一般的な文化の国もあるため、面接時に承諾を得ているかについて確認しておきましょう。

ただし、先述したようにプライベートに踏み込み過ぎた聞き方をするのはNGです。「家族はあなたが日本で働くことに賛成していますか?」「家族の理解は得られていますか?」のように尋ね、それ以上は踏み込まないようにしましょう。

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外国人を採用するための基本的な流れ

外国人を採用するための流れは、日本人を採用するときとそれほど大きな違いはありません。ここでは、日本に在留する外国人を採用する場合の手順を紹介します。

  1. 必要な人材、人数、時期などの計画を策定する
  2. 求人募集を行う
  3. 書類選考・面接を実施する
  4. 内定を通知し、雇用条件を提示する
  5. 在留資格の新規取得または変更について確認・申請する
  6. 雇用契約を締結する
  7. 就労を開始する

なお、海外から招へいする場合や在留資格の種類によって多少手続きが異なる点に注意が必要です。入社前後には必要に応じてオリエンテーションなども行います。外国人雇用に応じた社内整備が必要なケースでは、内定者が働き始めるまでに環境を整えておきましょう。

まとめ

外国人の採用面接では、在留資格や日本語能力など、日本人の採用面接にはない確認事項があります。確認を怠ると入社後のトラブルにつながるだけでなく、最悪の場合は法律で罰せられる可能性があるので注意が必要です。

時間に余裕をもって面接スケジュールを組み、聞くべきことを漏れなく質問できるようにしておきましょう。

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