「在留カード番号に意味はあるの?」と疑問に思っている方もいるでしょう。在留カード番号には、日本に在留する外国人を識別し管理する役割があります。外国人を雇用する際に在留カード番号の有効性や偽造などをチェックするため、企業側も概要についての把握が欠かせません。

また、在留カード番号が悪用されるリスクに備えて、外国人従業員が「在留カードを紛失した」と申し出てきた場合に企業側が取るべき対応を知っておくことも大切です。

このコラムでは、在留カード番号の意味や役割を解説します。記載場所や有効性の確認方法も紹介。在留カード番号が変更となる4つのパターンや企業側の注意点もまとめているので、ぜひご一読ください。

在留カード番号とは

白いカードを目の前に出すスーツ姿の男性の画像

在留カード番号とは、日本に中長期的に在留する外国人個人を識別・管理するために割り当てられているものですマイナンバーと似ていますが、内容は全くの別物。マイナンバーは、外国人を含む日本の全住民に付与され、各種保険や税金関連で利用されます。在留カード番号は、外国人の識別や在留管理・手続き、身分証明のためのものです。

ここでは、在留カード番号の役割について深掘りしていきます。

外国人個人を識別する

出入国在留管理庁によって割り当てられる在留カード番号は、日本に在留する外国人一人ひとりを識別する役割をもつのが特徴です。氏名や国籍、生年月日、住居地など、カードの券面に書かれている個人情報を、入管のデータベース上でもまとめています。

在留状況を適切に管理する

外国人の在留状況を適切に管理・把握するのも、在留カード番号の役割です。在留資格や在留期間、就労の可否などといった在留状況が、在留カード番号ごとに管理されています

日本には多くの外国人が在留しており、住所や名前といった限られた情報だけでは、引っ越しや就労時に対応できません。また、同姓同名の外国人がいた場合、管理ミスにつながる恐れもあります。そのため、個人に番号を割り振って正確に管理できるようにしているのです。

在留カード番号の記載場所と構成

CHECKと書かれたダイスとチェックマークの画像

在留カード番号は、2026年6月13日以前に発行された在留カードの場合は、表面の右上に記載されています2026年6月13日以降に発行された在留カードには、表面の下部に記載される予定です。

以下の画像は、現在発行されているものと新仕様の在留カードの見本になります。
2026年6月13日以前に発行された在留カードと2026年6月14日以降に発行された在留カードの画像
引用元:出入国在留管理庁「在留カードとは?

特定在留カードのイメージ
引用元:出入国在留管理庁「【※2026年6月14日運用開始※】特定在留カード等交付申請について

また、2026年6月14日から、在留カードとマイナンバーカードの機能が一体化した「特定在留カード」が導入予定です。特定在留カードでは、表面の右側中央部に在留カード番号が記載されます

在留カード番号の構成は、アルファベット2文字、数字8文字、アルファベット2文字を組み合わせた12桁です。この数字およびアルファベットは自動的に割り振られます。

参照元:
出入国在留管理庁「在留カードとは?
出入国在留管理庁「【※2026年6月14日運用開始※】特定在留カード等交付申請について

在留カード番号が変わる4つのパターン

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基本的に、一度割り当てられた在留カード番号は変わりませんが、外国人本人が特定の手続きを行う過程で新しい番号が付与されます。

ここでは、在留カード番号が変わる4つのパターンについて見ていきましょう。雇用する企業も内容を把握し、状況に応じてサポートすることが大切です。

1.在留期間を更新する

現在保有している在留資格を変更することなく、在留期間のみを更新する場合、在留カード番号は新しいものに変わります。たとえば、特定技能で在留している人が、定められた在留期間を超えて特定技能のまま活動を継続するケースです。在留期間の更新に伴い、新しいカードが発行されるため、在留カード番号も変更されます。

2.在留資格を変更する

留学」から「技術・人文知識・国際業務」など、在留資格を変更する場合も在留カード番号が変わるパターンの一つです。在留資格を変更すると、外国人が日本で行える活動内容が変わります。そのため、新しい在留カード番号に更新後の在留状況が記録され、出入国在留管理庁で適切に管理が行われるのです。

3.在留カードを再発行する

カードを紛失したり、汚染や破損によって作り直しを希望したりする場合は、在留カードを再発行しなければなりません。その際、新しい在留カードが発行されるのに伴って、付与される在留カード番号も変わります。万が一、外国人従業員から在留カードの紛失や盗難に遭った旨を相談されたら、カードの悪用を防ぐために速やかに警察へ届けるよう伝えましょう。

4.カード記載事項を変更する

在留カードの記載事項を変更する場合も、在留カード番号が変わります。具体的には、氏名や国籍、性別、生年月日に変更があるケースです。外国人本人の住居地を管轄する地方出入在留管理官署で手続きを行い、更新された新しい在留カードを受け取ります。

なお、記載事項の変更が住所だけの場合、在留カード番号は変わりません。既存の在留カードの裏面に新しい住所が記載される仕組みです。

在留カード本体または番号の有効性を確認する方法

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在留カードの現物と番号があれば、それらが本当に有効かどうかを確認することができます。

採用前に以下で紹介する方法を実行し、不法就労の外国人や不法滞在者を雇用してしまうリスクを減らしましょう。

目視による特徴の点検

在留カードが偽変造されていないかどうかは、面接時に在留カード本体を目視で確認します。複数の偽変造防止対策が講じられているため、一つひとつ丁寧にチェックしましょう。

現在発行されている在留カードには、以下のような対策がされています。

  • 「MOJ」の絵柄がピンクからグリーンに変化する
  • カード左端の色がグリーンからピンクに変化する
  • 「MOJ」のホログラムが3D的に動く
  • 角度によって銀色のホログラムの白黒が反転する
  • 暗い場所で裏から強い光を当てると透かし文字が見える

詳細は、出入国在留管理庁の「『在留カード』及び『特別永住者証明書』の見方」で公開されているので、選考までに把握しておくのが望ましいでしょう。

在留カード等番号失効情報照会

在留カード番号の有効性を確認するには、「在留カード等番号失効情報照会」を利用するのが有効です。出入国在留管理庁が運営しており、Webサイト上でアクセスできます。

外国人から預かった在留カードに書かれている「在留カード等番号」「在留カード等有効期間」と、画像に表示されている変形英数字文字列を入力してください。

在留カード番号が有効だった場合

在留カード番号が有効だった場合、問い合わせ結果の画面に「失効していません」と表示されます。有効な在留カード番号であることが分かったら、次で紹介する「在留カード等読取アプリケーション」を併用して、より確実性を高めましょう。

なお、券面の在留期限を過ぎていても、在留期間更新申請などの審査結果を待っている状態であれば「失効していません」と表示されます。申請中は引き続き在留可能なため、有効な在留カード番号であると判断できるでしょう。

在留カード番号が失効していた場合

在留カード番号が失効しているケースでは、問い合わせ結果の画面に「この在留カード等番号は有効ではありません」と表示されます。先述したように、在留カード番号は変更や紛失など発行のたびに変わる仕組みです。もし新しい在留カードが交付されていたら、以前の番号は失効します。

番号が失効していると知りながら外国人が対応していない場合、不法滞在やカード偽造の可能性も。また、失効状態の外国人を雇用すると企業も罰せられます。選考や業務開始は一時中断し、本人から話を聞いたうえで、最寄りの地方出入国在留管理官署へ連絡し指示を仰いでください。

在留カード等読取アプリケーション

「在留カード等番号失効情報照会」との併用を推奨されているのが「在留カード等読取アプリケーション」です。

「在留カード等番号失効情報照会」は在留カード番号が有効かどうかを確認するシステムであり、偽造カードの判別はできません。偽造カードのチェックには、目視のほかに出入国在留管理庁が運営する「在留カード等読取アプリケーション」の使用がおすすめです。在留カードのICチップに保存されている個人情報や顔写真と、券面に記載されている情報が一致するかどうかを判別できます。

ICチップを読み取るための機器が必要ですが、アプリケーション自体は無料なので、本人の了承を得たうえで利用してみましょう。

参照元:
出入国在留管理庁「知っておきたい!!在留管理制度あれこれ
出入国在留管理庁「在留カード等番号失効情報照会
出入国在留管理庁「在留カード等読取アプリケーション/失効情報照会 サポートページ

在留カード番号が悪用されるリスクについて

紛失や盗難などによって在留カード番号が悪用されると、偽造カードを作成されたり個人情報を不正利用されたりする可能性があります。

企業側も在留カード番号が悪用されるリスクを知り、採用後は外国人から預かった情報を適切に管理しましょう。

偽造カードの作成

在留カード番号に加えて氏名や住居地、在留資格の情報などが流出・盗難された場合、偽造カードの作成に悪用される恐れがあります。偽造カードは、不法滞在や不法就労、銀行口座の不正開設、クレジットカード・携帯電話の不正契約など、あらゆる犯罪に悪用されかねません。企業にとっても、外国人の適切な雇用に関わる問題のため、確認を怠らないようにしましょう。

個人情報の不正使用

個人情報を不正使用されると、本人が知らないところで名義を騙られ、なりすましの被害に遭う恐れがあります。いつの間にか消費者金融で借金ができていたり、本人名義でネット通販を利用され、支払いを求められたりする不利益が考えられるでしょう

このような悪用を避けるためにも、外国人から提供された在留カードの情報は絶対に流出しないよう、適切かつ厳重に管理してください。

企業側が注意すべき事項・緊急時の対策

ここでは、外国人材の選考時や入社後に、企業側が注意すべき事項・緊急時の対策について解説します。思わぬかたちで法律に違反しないためにも、気を付けるポイントや対策を事前に把握しておきましょう。

在留カードの原本を確認する

外国人の採用面接では、必ず在留カードの原本を手に取って確かめてください。コピー用紙に印刷されたものは簡単に偽造できるうえ、実際に在留カードを所持しているかどうかも確認できません。

日本に中長期在留する16歳以上の外国人は、入管法によって在留カードの常時携帯が義務付けられています。面接時には必ず原本の提示を求め、偽変造の有無や就労の可否について目視でもチェックしましょう。

確認を怠った企業は不法就労助長罪に問われる場合も

在留カードや在留カード番号の確認を怠った結果、不法就労に当たる外国人を雇用すると、企業側も「不法就労助長罪」の罰則対象です。3年以下の拘禁刑もしくは300万円以下の罰金、またはその両方が科せられます。「知らなかった」では済まされないため、必要事項は漏れなく確認しましょう。

在留資格の就労制限に気を付ける

応募者が保有している在留資格に、就労制限があるかどうかも気を付けて見るべきポイントです。就労制限の有無は、在留カードの券面に記載があります。また、厚生労働省のWebサイトでも「原則として就労が認められない在留資格」や「定められた範囲で就労が認められる在留資格」の種類について確認可能です。

なお、就労が認められていない「留学」または「家族滞在」の在留資格をもつ人も、「資格外活動許可」を得ていれば規定内で就労できます。就労制限はあるか、自社で雇用できるのはどの在留資格をもつ人材かを事前に把握し、適切な雇い入れを行いましょう。

有効期限を把握しておく

提示された在留カードが有効期限内かどうかもチェックする必要があります。

在留カードの有効期限は、原則として在留資格で滞在できる在留期間と一緒です。外国人を雇用したあとも個々の在留カードの有効期限を把握しておくと、気付かないうちにオーバーステイになってしまうリスクを減らせます。なお、在留期間に制限がない「永住者」や「高度専門職2号」も、7年ごとの在留カードの更新は必須です。

偽造カードを発見したら通報する

もし選考時や入社後に偽造された在留カードを発見したら、最寄りの出入国在留管理局へ通報・報告しましょう。可能であれば、偽造カードのコピーや提示されたときの状況などを記録しておくと、調査がスムーズに進みます。「不法就労を斡旋された」といった悪質なケースでは、入管への通報と同時に警察にも届け出てください。

ただし、本人が詐欺被害に遭って偽造の事実を知らないという可能性もあります。話を聞いて詳細を確認し、そのうえで専門家や当局に相談しましょう。

紛失の相談を受けたら再交付申請するよう伝える

外国人従業員から在留カード紛失の相談を受けたら、直ちに再交付申請をするように伝えます

在留カードを失くしたり盗まれたりしたら、その事実が発覚した日から14日以内に再交付の手続きをしなくてはなりません。特別な事由を除いて本人が申請を行います。

必要な書類は以下のとおりです。

  • 在留カード再交付申請書
  • 申請人の写真(1枚)
  • 所持を失ったことを証明する資料
  • 旅券もしくは在留資格証明書(いずれも提示できない場合、その理由を記載した理由書)
  • 身分を証明する文書等(旅券もしくは在留資格証明書を提示できない場合)

もし申請期限である14日を超えてしまったら、理由等を記載した陳述書が別途必要です。

警察署で発行される「遺失届出証明書」や「盗難届出証明書」、もしくは消防署で発行される「り災証明書」の提出を求められる場合もあります。新たな在留カードは、原則即日交付です。

参照元:
出入国在留管理庁「旅券等の携帯(入管法第23条)
警視庁「外国人の適正雇用について
出入国在留管理庁「紛失等による在留カードの再交付申請

在留カード番号に関するよくある質問

ここでは、在留カード番号に関するよくある質問について回答します。マイナンバーとの一体化や旧制度「外国人登録証明書」に対する疑問などに答えているので、企業の担当者の方もぜひご一読ください。

在留カードとマイナンバーカードが一体化したら番号はどうなる?

在留カードとマイナンバーカードが一体化しても、それぞれの番号は効力をもったまま残ります

出入国在留管理庁によると、2026年6月14日から在留カードとマイナンバーカードが一体化した「特定在留カード」が運用開始予定です。在留カード番号とマイナンバーは別々の役割をもっているため、一体化したあとも「特定在留カード」の券面には両方の番号が記載されます。

在留カード番号の確認はコピーを提出してもらえば大丈夫?

在留カード番号を確認する場合は、必ずカード原本の提示を求めてください。先述したように、コピー用紙などに印刷された在留カード番号は容易に偽変造が可能です。外国人は在留カードの常時携帯が義務付けられているため、選考時には必ず原本を提出してもらい、目視や公的機関のツールを利用して確認しましょう。

なお、採用に際して在留カードをコピーする場合は、本人の了承を得て、個人情報の流出に注意してください。

雇用中の外国人も定期的に在留カード番号を照会するべき?

すでに外国人を雇用している企業にも、定期的な在留カード番号の照会が推奨されます。本人だけに任せっきりにせず、会社でも在留カード番号を管理することで、更新忘れや不法就労を未然に防ぐ効果が期待できます。定期的な照会のほか、更新日が近づくと通知される仕組みを作っておくのもおすすめです。

旧制度である「外国人登録証明書」も照会できる?

在留カードの前身である「外国人登録証明書」は、法改正に伴い2012年に廃止されています。現在は在留カードまたは特別永住者証明書に切り替わっているため、過去の原票を照会するには出入国在留管理庁へ開示請求しなければなりません。

なお、採用面接で「外国人登録証明書」を提示されても身分証としての効力はないため、慎重に選考の判断を下しましょう。

参照元:出入国在留管理庁「【※2026年6月14日運用開始※】特定在留カード等交付申請について

まとめ

白いカードを出す眼鏡をかけた金髪の外国人女性の画像

在留カードには、個人ごとにアルファベットと数字による12桁の番号が記載されているのが特徴です。割り当てられた在留カード番号ごとに外国人個人を識別する役割をもち、在留状況や就労の可否などを入管で管理しています。

外国人の選考では、不法就労助長罪に当たらないよう在留カードの原本を確認することが重要です。出入国在留管理庁の「在留カード等番号失効情報照会」システムに番号を入力すると、在留カード番号の有効性が調べられます。適切な雇用のためにも、外国人を採用する企業はぜひ活用しましょう。