日本に中長期滞在する外国人は、特別永住者を除き「在留カード」をもっています。しかし、在留カードの存在は知っていても期限があることはご存じない方も一定数いるでしょう。基本的には外国人本人が管理しますが、期限切れは日本での滞在や就労に関わるため、雇用主である企業側も仕組みを理解しておくと安心です。
この記事では、在留カードの期限切れについて知っておくべき基本的な知識を紹介します。期限切れのまま滞在した場合に受ける措置や、更新手続きに必要な書類と手順も解説。期限切れを未然に防ぐ方法もまとめているので、在留カードの更新を外国人本人任せにせず、雇用する企業側もサポートできる体制を整えておきましょう。
在留カードの期限切れとは?知っておくべき基礎知識
ここでは「そもそも在留カードの期限切れとは?」という方へ向けて、知っておくべき基礎知識を紹介します。
混同されやすい「在留期間」との違いや永住者が行う対応なども解説しているので、基本的な部分がよく分からない方はチェックしてみてください。
在留カードには有効期限がある
在留カードには有効期限がありますが、外国人が個別に保有する在留資格や在留状況によって期間は異なります。公布から5年の人もいれば1年の人もいるため、在留カード表面の下部に記載されている「このカードは△△年△月△日まで有効です」という欄を確認しましょう。
以下は、在留カードの見本画像です。
引用元:出入国在留管理庁「在留カードとは?」
なお、16歳未満の永住者の在留カードの期限は「16歳の誕生日まで」と定められています。16歳未満の永住者以外の人は、在留期間の満了日か16歳の誕生日のいずれか早い方が有効期限になる仕組みです。
在留資格が「永住者」または「高度専門職2号」の人は、在留カードの交付日から7年が有効期限となります。
在留期間と在留カードの有効期限は別物
在留カードの期限と在留資格の期限は同日になるため混同されがちですが、本質は全く別物です。
在留資格の期限とは、外国人が日本に滞在を許可されている期間を指します。一方、在留カードの期限とは「証明書」としての効力を示す期限のことです。そのため、在留期間に制限がない「永住者」や「高度専門職2号」で滞在する外国人の在留カードにも7年の有効期限が存在します。
在留資格の期限と在留カードの期限は原則として同じなため、在留資格を更新したらその際に新しい在留カードが発行されるのが一般的です。
永住者も在留カードの更新が必要
前述したように、在留期限のない「永住者」や「高度専門職2号」の人もカード自体には証明書としての有効期限があるため、期日までに更新手続きが必要となります。
期限を過ぎても永住権自体がなくなるわけではありませんが、在留カードは身分証としての効力を失う仕組みです。その結果、中長期滞在者に課されている「有効な在留カードを常時携帯しておく」という義務に違反してしまうため注意しましょう。
なお、「特別永住者」の在留資格をもつ人には、在留カードではなく「特別永住者証明書」が交付されます。
参照元:
出入国在留管理庁「在留カードとは?」
出入国在留管理庁「在留期間更新許可申請」
出入国在留管理庁「旅券等の携帯(入管法第23条)」
在留カードが期限切れになるとどうなる?
在留カードの期限切れと在留資格の期限切れでは、異なる刑罰が科せられるのが特徴です。
無期限の在留資格をもつ人が在留カードの更新を忘れた際は、速やかに地方出入国在留管理局に連絡すれば柔軟に対応してくれるケースが多いでしょう。ただし、本人が日本にいる場合に限るほか、故意に更新を行わなかったなど悪質性が高いと判断されると、1年以下の懲役もしくは20万円以下の罰金を科せられます。
「永住者」と「高度専門職2号」以外の人で、在留カードの期限とあわせて在留資格の期限も切れてしまった場合は「不法滞在」に該当し、より重い処罰の対象です。罰則は3年以下の懲役または300万円以下の罰金、もしくはその両方が科せられ、行政処分として退去強制になり、その後5年間は日本への再入国ができなくなります。
不法滞在の外国人を雇用している企業にも「不法就労助長罪」として同様の罰則が科されるため、注意が必要です。万が一、外国人スタッフの在留カードや在留資格の期限が切れてしまった場合は、気づいた時点ですぐに最寄りの出入国在留管理局に相談しましょう。
関連記事:「外国人雇用に関する4つの法律を分かりやすく解説!【2025年2月最新版】」
参照元:
e-Gov法令検索「出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)」
厚生労働省「不法就労に当たる外国人を雇い入れないようにお願いします。」
在留カードの更新手続きの流れと必要書類
在留カードの更新方法は、在留期限の有無で異なります。以下で、それぞれのパターンの更新手続きの流れと必要書類を紹介するので、状況に応じて参考にしてみてください。
在留期限のある外国人の場合
在留期限のある外国人が在留カードを更新する際は、現在保有している在留資格を変更するか否かによって必要書類が異なります。
たとえば、「特定技能1号」は在留期間の上限が最大5年で、1年・6ヶ月・4ヶ月単位で更新可能です。この場合、手続きに必要な書類は「在留期間更新許可申請書」となります。
「特定技能1号」から「特定技能2号」へ移行する場合は、在留資格の変更が伴うため「在留資格変更許可申請書」が必要です。
どちらに当てはまるかを確認したら、あわせて以下の書類を用意します。
- 在留期間更新許可申請書または在留資格変更許可申請書
- 顔写真
- 現在の在留カード
- パスポート(提示)
- 収入印紙(手数料)
- 日本での活動または変更予定の活動内容(在留資格)に応じた書類
手続きは原則として外国人本人が行い、いずれも在留期間の満了日までに申請しなければなりません。住居地を管轄する地方出入国在留管理官署の窓口、もしくはオンラインにて申請できます。
審査が終了し、出入在留管理局から連絡が来たら新しい在留カードを受け取る仕組みです。オンライン申請の場合は、郵送で在留カードを受け取れます。
「永住者」や「高度専門職2号」の外国人の場合
「永住者」や「高度専門職2号」の在留資格をもつ外国人が在留カードを更新する場合、審査期間はありません。必要書類を漏れなく揃えて手続きを行えば、当日中に新しい在留カードを受け取れるでしょう。
用意する書類は以下のとおりです。
- 在留カード有効期間更新申請書
- 顔写真
- 現在の在留カード
- パスポート(提示)
在留カードの更新ができるのは、現在の有効期間満了日の2ヶ月前から満了日までと定められています。ただし、海外出国やそのほかの理由で更新が難しい場合はあらかじめ申請可能です。原則として外国人本人が手続きを行うほか、更新手数料はかかりません。
2026年2月時点ではオンライン申請に対応していないため、住居地を管轄する地方出入国在留管理官署を訪問し直接手続きを行います。
関連記事:「在留カード(在留期間)更新はいつ行う?企業が把握すべき必要書類や注意点」
参照元:
出入国在留管理庁「在留期間更新許可申請」
出入国在留管理庁「在留資格変更許可申請」
出入国在留管理庁「在留申請のオンライン手続」
出入国在留管理庁「在留カードの有効期間の更新申請」
在留カードの期限切れを防ぐために企業ができる対策
雇用している外国人の在留カードの期限切れを防ぐために、企業側も可能な範囲で対策を講じましょう。
有効な方法として、個人別に更新期限を管理できるソフトやアプリの導入が挙げられます。また、在留資格の管理を本人任せにしないのも一つの手段でしょう。
在留カードの更新期限を管理できる仕組みを作る
雇用している外国人の在留カードの更新期限を管理し、更新期限が近くなったらアナウンスできる仕組みを作っておくのがおすすめです。
外国人の在留期限は個人でそれぞれ異なるため、人数が多いほど期限の把握・管理が難しくなります。在留カードの更新期限および在留期限を人事担当者が一括管理できるシステムを取り入れておくと、更新忘れによるトラブルを未然に防げるでしょう。
在留資格の管理を外国人任せにしない
更新忘れを防ぐには、在留資格や在留カードの更新を外国人任せにしないことも重要です。なかでも「永住者」「高度専門職2号」「特別永住者」の在留資格をもつ人は更新タイミングが7年に1度のため、忘れてしまう可能性も十分考えられます。外国人を雇用する企業の責任として、在留資格の管理も積極的にサポートするのが望ましいでしょう。
関連記事:「在留資格取り消しの事由とは?従業員や企業はどうなる?起こりうるリスク」
在留カードの期限切れに関するよくある質問
ここでは、在留カードの期限切れに関するよくある質問に回答します。更新にかかる日数や費用、期限が切れた場合の措置についてまとめているので、参考にしてみてください。
在留カードの更新には何日かかる?
現に有する在留資格を変更することなく在留期限を更新する場合、審査にかかる標準処理期間は2週間~1ヶ月です。「永住者」や「高度専門職2号」は、原則として即日新しい在留カードが交付されます。
なお、書類に不備があったり申請状況が混雑したりした場合は想定よりも時間を要する可能性があるため、余裕をもった申請が大切です。
在留カードの更新にかかる費用は?
「在留期間更新許可申請」と「在留資格変更許可申請」では、それぞれ6,000円の手数料がかかります。オンライン申請の場合は5,500円で、いずれも収入印紙による納付です。
「在留カードの有効期間の更新申請」には手数料はかかりません。
更新許可申請中に期限が切れてしまった場合どうなる?
更新手続き中に在留資格および在留カードの期限が切れた場合は、最長2ヶ月間の「特例期間」が発生し、審査結果が出るまで引き続き日本で活動できます。在留カードの裏面にも申請中である旨が記載されるので、特例期間中は証明書としても有効です。
参照元:
出入国在留管理庁「在留期間更新許可申請」
出入国在留管理庁「在留資格変更許可申請」
出入国在留管理庁「在留カードの有効期間の更新申請」
出入国在留管理庁「特例期間とは?」
まとめ
雇用する外国人の在留カードの期限切れは、その後の業務に影響を及ぼす可能性があります。できるだけ更新切れが起きないよう企業側もサポートを行い、もし更新切れに気付いたときは早急に対応しましょう。
在留カードの期限切れを未然に防ぐには、社内で有効期限を一括管理できるシステムを導入するのがおすすめです。期限が近くなったら対象の外国人スタッフへアナウンスし、余裕をもって更新手続きをしてもらうよう促しましょう。
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